ABOUT

KAMAKULAXは、もともと湘南・鎌倉で「SEADOG」という湘南ブランドをやっていた僕が、2008年に鎌倉の駅の近くにある旧いアーケード‘丸七商店街’に店舗を借りた時から始まりました。

SEADOGを姉弟で開業したのは1981年だったので、なんと今から40年ほど前の話です。SEADOGも、当時はアメリカ文化の洗礼を受けて、かなりこだわりを持ってアメリカンカジュアルレストランという形式でスタートしました。
といっても、当時はインターネットはおろかファクスすら家庭にはなかったので、全ては雑誌の情報と、あとは実際に海外に出て自分の目で確かめて来るしか方法がなかったのです。幸いながら僕の場合は母の姉妹が二人とも国際結婚をしていたおかげで、ベース(米軍基地)の中にも出入り自由、子供の僕はよく遊びに行っており、バドワイザー、セーラム(タバコ)、無修正版のプレイボーイ誌(!)も普通に身近にあるモノだったのです。つまり頭の中はかなりアメリカンな子供だったわけですね。

そこにさらに追い打ちをかけたのが、高校生の頃に出た平凡出版(現マガジンハウス)のPOPEYE創刊号でした。あれには相当なカルチャーショックを受けました。そしてPOPEYEに載っていた記事で、本場アメリカのTシャツの話題を読んでは心躍らせたものでした。この頃に僕の好み、趣味嗜好が完全に形成されてしまいました。
時を同じくして、地元の稲村ガ崎に‘California T-shirts’という輸入Tシャツ専門店が出来たのです。そこにズラっと並ぶのは、POPEYEの記事で見たあんなTシャツこんなTシャツばかり...しかし値段は3900円位した記憶があります。70年代中盤の3900円といえば、今にしたら1万円程な感覚です。当然、ティーンの僕は見に行くだけ、結局そこでは2回くらいしか買う事が出来ませんでした。スケートボードブランドのinfinityのTシャツだったかな、それは今でも大切にクローゼット奥にしまってあります。

そして21歳の時についにアメリカに行くチャンスを得て、その時はL.A.に3ヶ月滞在し、さらにすっかりドップリとアメリカンな奴になってしまったのでした。このときまた転機ともいえるタイミングが訪れて、なんと日本では姉がレストランを始めるという話になっていました。帰国後、僕はすぐに大学を休学して姉弟でSEADOGをスタートさせることになります。その時のビジネスのネタになるものは、全て3ヶ月滞在したL.A.生活の中から探し出してきたものばかりでした。中でも、アメリカ生活でお世話になったファストフードに行くとよく売っていたハウスTシャツ...これはその店のスタッフがユニフォームで着ているTシャツをレジ横などで売っているというもので、当時から人と同じモノが嫌いだった僕は、すっかりそのレアなTシャツにハマッており、それが高じてハウスTシャツコレクターになっていました。そんな流れもあり、レストラン業務のかたわら、店のオリジナルTシャツを作り始めたのです。それをレジ横で売り出した途端かなり好評を得たために、すぐに物販店舗もオープンするという順調な展開になったのは本当にラッキーでした。とても良い時代だったなあ。

その後は店が10数店舗まで広がり、そして数年後バブル崩壊などもあり規模縮小など紆余曲折はありましたが、個人的にはデザインの仕事を中心にコツコツやっていました。でもいつも「Tシャツを作る」という事から完全に離れる事はありませんでした。こうして書くとやっぱり相当Tシャツっていうモノ自体が好きなんだなと我ながら思います。

さて、丸七商店街の話に戻りますが、当初アメリカ古着を中心に手探りではじめたショップ「Bootleg」でしたが、無類のTシャツ好きの僕がまたしても新しいブランドを作りたくなり、ヤミ市跡地である丸七の0(マル)7(シチ)にひっかけ、また70年代モノが大好きでこだわりがあるという事もあり、そのイメージをロゴ化したものが707KAMAKULAXです。

KAMAKULAXの‘X’は、テレ隠しとでもいいましょうか、ストレートに‘鎌倉’と表現するのが地元民としてはかなり恥ずかしいので付けたのですが、実は「RELAX」の意もあり、そして僕の大好きなアメリカの都市ロサンゼルスの空港の通称「L.A.X.」でもあったりします。でも、カマクラックスという響きそのものも、なんだかユルユルしててとても好きなんですがね。

さて、2020年現在も、その‘マルシチ’商店街でTシャツショップを営業中です。。ショップの名称も「KAMAKULAX(カマクラックス)」と統一し、100%オリジナルのTシャツ、トートバッグをメインで扱っています。雑誌Oggiや、人気テレビドラマなどでもとりあげていただいて一躍人気になったバケツトートバッグもたくさんの種類をリリースしています。また、さまざまなお店や会社、チームなどともコラボしてグッズ製作のお手伝いをしています。

鎌倉に遊びにいらした時は是非ともお立寄りください。

2020年9月 KAMAKULAX 代表 Jung Nagashima